医院コラム

お口の中の銀歯が体の不調の原因かもしれません

銀歯のブリッジをいれてから、いつもスプーンをなめているような感覚や、電気が流れるようなキーンという違和感があります」と、40代の女性Aさんが来院されました。

お口を拝見すると、歯を噛み合わせた時に、上下の銀歯が接触する状態でした。これは「ガルバニック電流」と呼ばれる現象で、唾液を介して、異なる金属が触れた際に発生する微弱な電流が原因と考えられています。また、Aさんは足の痒みや息切れも訴えておられたため、金属アレルギーの可能性を考慮し、専門の皮膚科受診をご提案しました。

治療前後検査の結果、Aさんは「ニッケル」の金属アレルギー陽性と判明。今後の治療として、原因となる金属を段階的に除去し、根管治療(歯の根の治療)をていねいに行った上で、金属を使わない「メタルフリー治療」を進めることになりました。

レントゲン診断の結果、多くの歯に根管治療が必要であることも分かり、Aさんも「この機会にすべて取り除きたい」と決断されました。完治までにはお時間がかかりますが、二人三脚で根気強く取り組んで行こうと、私自身も意を強くしております。

金属アレルギーは、ある日突然発症するのが特徴です。よく例えられるのが「樽の水」です。少しずつたまった水が樽の縁を越えて溢れ出した瞬間、かゆみや炎症といった症状として現れます。歯科金属の場合は、お口とは別のところに症状が出ることがあるので、「銀歯」という原因にたどり着きにくいのも特徴的です。

これまで銀歯で問題がなかった方でも、新しい治療で金属の量が増えたり、銀歯の劣化で金属が溶け出している場合にも、許容量を超えて不調が出ることは珍しくありません。もし、「アクセサリーで皮膚に赤みや痒みが出たことがある」方は、歯科治療でも金属を使わない選択を検討すべきだと考えます。

人生100年時代。思いっきり笑い、何でもおいしく食べられることは、健康で長生きするための秘訣です。「もしかしてこれもアレルギー症状...?」というご相談でも構いません。どうぞお気軽にご予約、ご来院くださいね。



(なしき歯科医院新聞 2026年6月号より)

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