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一番奥の歯を失ったときの治療法 【下顎遊離端欠損:かがくゆうりたんけっそん】
「左下の一番奥の歯の被せ物が取れそうで、動いていて、噛むと痛いです。」と来院されたのは、40代の男性、Kさんです。お口の中を拝見すると、被せ物が土台ごとグラついており、歯の根が割れていました。レントゲンで詳しく確認すると、歯の根が真っ二つに破折していて、残念ながら抜歯が必要な状態でした。Kさんから「抜いたあとは、どうなるんでしょうか?」というご質問がありました。
一番奥の歯がなくなった後の選択肢には、主に4つあります。
- 1.取り外し式の部分入れ歯
一番奥の1本だけの入れ歯ですが、実際には噛む力が強くかかる場所なので、噛みづらさを感じて使わなくなることが多いです。 - 2.延長ブリッジ
手前2本の歯を大きく削ってつなげ、一番奥に人工歯を足す方法。手前の歯に負担がかかり、将来その歯も弱くなり、抜歯に至るリスクがあります。
- 3.インプラント
人工の歯を植立する方法です。ほかの歯に負担をかけず、自分の歯と同じような感覚で食事ができます。 - 4.そのままにしておく
時間とともに噛み合わせが乱れ、上の歯が下に伸びてきたり、歯並びが崩れてしまいます。
それぞれの治療のメリットとリスクについてご説明させていただいたところ、Kさんは『インプラント』を選ばれました。奥歯がなくなると、噛む力や食事の楽しさが大きく変わってしまいます。インプラントは他の歯を守りつつ、しっかり噛める最良の方法といえます。先日、定期健診にお越しになりましたが、インプラントはしっかり機能し、不具合なくお使いいただけていました。
人生100年時代。いつまでもおいしく何でも食べられ、楽しく前向きな生活を送ることが、健康で長生きするための大切な要素だと思います。歯がグラグラして噛むと痛い、ブリッジをしているが違和感がある、入れ歯がしっくりこない、奥歯を抜いたままにしている…このようなお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。私たちが一緒に解決方法を考えます!
(なしき歯科医院新聞 2025年10月号より)