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11年前のブリッジが要因で、1本歯を失った症例
「右下の、ブリッジを入れたところの歯ぐきから血と膿が出ます。歯がグラグラ動き、噛むと痛みもあります。」と、60代の男性、Aさんが来院されました。お口の中を診ますと、ブリッジを支えている歯の根が破折していました。レントゲンを撮りさらに詳しく診てみると、小さく割れているのではなく、真っ二つに割れ、残すことができない状態であることがわかりました。
実はAさんは、2014年に右下の第二大臼歯(一番奥の歯から2番目の歯)を歯根破折により抜歯し、その際の治療法としてブリッジを選択されました。そして今回、ブリッジを支えていた歯(第一大臼歯)がついに歯根破折を起こしてしまいました。
ブリッジは、3本分の歯を2本の歯で支えるため、支える歯の負担が大きくなり、歯根破折を起こす危険性が高くなります。
今回の抜歯後は、歯が2本ない状態になるので、そこを補う方法についてAさんにご説明しました。選択肢は再度ブリッジを入れるか、インプラントになります。ブリッジにして支える歯がまた折れてしまうと歯が3本ない状態になる可能性があるため、Aさんはインプラントを選択されました。
たられば、ではありますが、もし11年前にAさんがブリッジではなくインプラントを選んでおられたら、今回の歯根破折や抜歯は起きなかったかもしれません。ブリッジは、噛む力の強い方、歯ぎしりをする方、硬い食べ物が好きな方は、支えの歯の負担がより大きくなるのでおすすめできません。
人生100年時代。いつまでもおいしく何でも食べられ、楽しく前向きな生活を送ることが、健康で長生きするための大切な要素だと思います。動いている歯がある方、ブリッジにしているところが動いて噛むと痛い方、入れ歯がしっくりこない方、歯を抜いたままにしている方など、お口のことでお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください!
(なしき歯科医院新聞 2025年9月号より)