医院コラム

マグネット式入れ歯にできる最後のチャンスを生かした患者様

「右上の歯肉にできものができ、押すと痛いです。左上の奥歯が噛むと痛いし、左上の前歯が欠けてしまいました。そして、上の歯に入れていた部分入れ歯をなくしました…」と、たくさんの悩みを抱えて、80代女性のSさんが当院にいらっしゃいました。ほぼ1年ぶりのご来院です。

Sさんは、コロナ前は4ヶ月ごとの定期健診&クリーニングにきちんと通われていた方で、毎回クリーニングをするだけで、治療はほとんどありませんでした。ところがこの1年間、新型コロナによる外出自粛で、通院を控えていたようです。

治療前後お口の中を診ますと、右上の歯肉のところと左上の奥歯は、歯の根が割れる『歯根破折』をおこし、左上の前歯が大きく欠けたのは、むし歯が原因でした。また、部分入れ歯をなくされたため、かみ合わせが悪くなり、たった1年でお口の中全体が深刻な状態になっていました。

歯科では新型コロナのクラスターが発生していませんし、歯科治療を受けてお口の中を清潔に保つことが、新型コロナをはじめとするウイルス感染を予防することが分かってきました。Sさんも、今回勇気を出して来院してくださって良かったです。

Sさんは、今回は問題が上の歯(上顎)に集中していましたので、なくしてしまった保険の部分入れ歯にかわる、安定の良い入れ歯を入れることで、状態が改善すると思います。できる限り歯を残すのが当院の方針。Sさんとお話を重ね、残った歯を活用できるマグネット式入れ歯をお入れすることになりました。マグネット式入れ歯は、安定が良く・使い心地も良く・かみ合わせも改善できるのが特長です。

治療後、「ありがとうございます。食物もとてもおいしくて嬉しいです。これからも大事に使いたいと思います。」と、とても喜んでくださいました。治療にはギリギリ最後のタイミング、というのがあるので、Sさんの場合、これ以上歯が悪くなったらマグネット式入れ歯は難しかったかもしれません。

※「マグネット式入れ歯を入れても、MRIの撮影はできますか?」とご質問をいただくことがあります。当院のマグネット式入れ歯は、マグネットが入れ歯の方に組み込まれるため、MRIの撮影時に入れ歯を外していただければ大丈夫です。ご安心ください(^^)

歯を治すことで患者さんがお口元に自信を持って、積極的に行動し、人生を楽しむ手助けをすることができたら、私たちにとってこの上ない喜びです。入れ歯に限らず、お口の中で気になるところがある方、どうぞお気軽にご相談ください!

(なしき歯科医院新聞 2021年4月号より)

お問い合わせはコチラから

ページTOPへ