医院コラム

マグネット式の入れ歯で、おいしく食事ができる生活を取り戻そう!

歯が抜けたところがたくさんあるので、きちんと治したいです。」と、80代女性のTさんが来院されました。お口の中を診ますと、上は歯が1本もなく総入れ歯。下は犬歯2本だけが残っていて、部分入れ歯を入れておられました。ところが、入れ歯のバネをかけていた犬歯のかぶせ物が取れてしまい、「入れ歯が動いて、歯ごたえのある物を食べると入れ歯が歯ぐきに当たって痛いです。あまり噛まなくていいものを食べています。」とのことでした。

治療法について、Tさんと相談しました。
一つ目は、かぶせ物がとれた犬歯にかぶせ物を入れ直し、そこにバネをかける部分入れ歯。これまでと同じですが、2本の犬歯に全負担がかかるので、近い将来、その犬歯も弱って抜歯になり、上だけではなく下も総入れ歯になる可能性が高いです。

もう一つの方法は、残っている犬歯をうまく活用して、マグネット式の総入れ歯にする方法です。犬歯に付けたマグネットと、入れ歯に組み込んだマグネットがしっかりと引き合うので、動かない入れ歯を作ることができます。入れ歯は、「噛む時に入れ歯が動いて歯ぐきと擦れること」で痛みが出ます。マグネット式の総入れ歯は、『動かないので痛みが出ない』のです。

マグネット式入れ歯Tさんは、「何でもおいしく食べられるようになりたいので、マグネット式の総入れ歯でお願いします。」と、おっしゃいました。マグネット式の総入れ歯はご自分の歯が少なくとも2本以上ないとできない治療法です。Tさんはギリギリでしたが、マグネット式の総入れ歯ができるタイミングでご相談に来院してくださって良かったです。

マグネット式の総入れ歯を入れた後、調整で来院されたTさんは「調整の必要もないくらい、痛みなく過ごしています。本当にありがとうございます。」と、とても満足されたご様子でした。

人生100年の時代です。「入れ歯が合わなくて、入れ歯が痛くて、おいしくごはんが食べられない。」とお困りの方やお悩みの方、マグネット式の総入れ歯という選択肢があります。 患者さんが口元に自信をもってくださり、積極的に行動し、「食べる」「笑う」「人前でお話しする」など人生を楽しむお手伝いをすることが私の使命です。ぜひ「気軽に相談してみる」という1歩を踏み出してみてください。きっと、今までとはちがう世界が広がると思います!

※和田精密歯研さん(大阪本社、全国規模の技工所)にお調べいただいたところ、渡島桧山管内で2018年から2024年の間に製作されたマグネット式の総入れ歯、全88件のうち46件が当院によるものでした。地域の多くの方が快適な生活を送るお手伝いができて、大変嬉しく思っております!

(なしき歯科医院新聞 2025年3月号より)

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