医院コラム

プロ(衛生士さんによる)のクリーニングの重要性!

噛むと、右上の奥歯が痛い」と、80代男性のNさんが来院されたのが4年前。レントゲンを撮ってお口の中を精査すると、右上奥歯の中に虫歯が広がって、根管治療(感染した歯の根を除去してきれいに洗浄する治療)が必要でした。この歯以外にも虫歯や歯周病が見つかりはしましたが、ご自身の歯(天然歯)が26本も残っていました。これは大変素晴らしいことです!今後1本も歯を失うことなく、活き活きと健康で長生きしてほしいと強く思いました。

Nさんに現状をお話しし、虫歯治療と並行して歯周病治療をした方が良いこと。治療には時間がかかること。そして、治療が一段落した後は、衛生士さんによるメインテナンスを行い、良い状態を保つようにすることを強くお勧めしました。

Nさんは、「時間がかかっても、きちんと治してずっと自分の歯で楽しく食事をしたい。」とおっしゃられました。Nさんはお口の健康への意識が高く、虫歯と歯周病の治療が終わってからは、自ら月に2度のメインテナンス(歯科衛生士が行うクリーニング)を希望され、現在もきちんと通われています。お口の中は、治療後とほとんど変わらない、とても良い状態を保って生活しておられます。

歯周病は【認知症、糖尿病、心疾患、誤嚥性肺炎など】に密接に関係していることが明らかになっています。プロ(衛生士)による、エアフローという器械を使ったクリーニングでは、日常の歯みがきでは取れない、お口の中のバイオフィルム(歯周病菌、虫歯菌の塊とその副産物)を取り除くことができます。基本的には、1~2ケ月に1回のクリーニングがおすすめです。お口の中のねばつきや不快感は細菌が原因のこともあり、清潔な環境になることでお口の中がすっきりとし、口臭も軽減します。

Nさんは、「以前は口の中がねばねばした感じがありましたが、今は全くありません」とお話ししてくださいました。お口の中で繁殖した細菌が、唾液とともに体内に入ったり(これが間違って肺に入ると誤嚥性肺炎の原因になります)、歯ぐきの出血したところから毛細血管に入り込んで全身を巡ったり…。お口の中を細菌の少ない清潔な環境にすることは、健康長生きに直結します!

エアフローによるクリーニングは1日あたりの人数が限られていますので、お早めにご予約をお願いします。患者さんが口元に自信をもってくださり、積極的に行動し、「食べる」「笑う」「人前でお話しする」など人生を楽しむお手伝いをすることが私の使命です。お口の中に気になるところがある方、口臭や歯周病が心配な方、歯のクリーニングをご希望の方、どうぞお気軽にご相談ください!

(なしき歯科医院新聞 2025年2月号より)

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