医院コラム

長い目で見て、一番「歯が長持ち」する方法を!

「別の歯医者さんで治療した歯なんですが…診てもらえますか?」と60代男性Tさんが、江差から来院されました。以前、前歯のかぶせ物が取れてしまった時に自分の歯(天然歯)が割れていることが分かったのですが、前の医院では治療せず、そのままセメントでつけてもらったそうです。

その後、取れてはまたつけて…を繰り返していたら、見栄えが悪くなるとともに、隣の歯も割れてきてしまったとのこと。

レントゲンを撮って詳しく診てみますと、2本の前歯は歯根が大きく割れていました。破折しておそらく1年以上経っていると思います。割れ方がかなり大きかったため、残念ながら2本とも抜歯せざるを得ませんでした。



抜歯後の歯を補う治療方法についてご説明したところ「インプラント」を希望されたのですが、歯根が破折して長期間経過していたため、骨吸収が起きて歯を支える骨がなくなっていました。そのため、抜歯と同時にGBR骨造成を行い、骨の新生を待ってからインプラントを埋入しました。

Tさんは、前歯が長い間不安定な状態だったので、しっかりとしたインプラントが入って安心したご様子でした。

今回は前歯ということもあり、バネをかける部分入れ歯や両隣の歯を大きく削るブリッジではなく、見た目も自然でよく噛めるインプラントを選ばれたのは、Tさんの一生という視点で見ると最も侵襲(しんしゅう)が少ない治療であり、残っている歯を守る結果につながると思います。

患者さんが口元に自信をもってくださり、積極的に行動し、「食べる」「笑う」など人生を楽しむお手伝いをすることが私の使命です。お口の中に気になるところがある方、歯を失い困っている方、入れ歯が合わない方、ブリッジが最近ゆらゆら動くように感じる方、どうぞお気軽にご相談ください!

(なしき歯科医院新聞 2024年11月号より)

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