医院コラム

インプラントの『骨再生治療』

インプラント「奥歯がグラグラして歯ぐきから膿が出て、噛み合わせると痛い。この歯を抜いて、歯がないところをなんとかしてもらえませんか?」と、Yさん(60歳代女性)が来院されました。お口の中を診ますと、左下の奥歯が2本がなく、その手前の第二小臼歯が大きく動く状態でした。レントゲンで診ると、歯のまわりに歯を支える骨が全くなく宙に浮いたような状態で、抜歯せざるを得ないことをお伝えしました。

抜歯後は、左下に3本歯がない状態になるので、ここに歯を補わなくてはいけません。「部分入れ歯」もありますが、以前、部分入れ歯を使った時に痛くてつらかったそうで、「自分の歯の感覚で食事できるインプラント」を希望されました。

CT撮影でより詳しく立体的に骨の状態を調べました。抜歯したところはやはり顎の骨が大きくなくなっており、このままではインプラントを埋入できないので『骨再生治療』を行うことになりました。Yさんにこれからの治療の進め方について詳しく説明をしました。

インプラント

骨再生治療で骨ができるまで約半年待ち、インプラントを埋入して定着するまで約半年待ち、被せものが入ります。

インプラント右の写真は、治療前と、骨再生治療4ケ月後のCT画像です。大きく穴が開いていたところにしっかりと骨が再生され、インプラント埋入手術が安全に行える状態になりました!

骨再生治療が普及していなかったころは、今回のように顎の骨に穴があいたような状態の方には、「インプラントはできません」とお伝えするしかありませんでした。骨再生に少し時間はかかりますが、他院でお断りされた方にもインプラント治療ができるようになったのは、医学の大きな進歩だと思います。

歯を失って不自由だけど歯がないままお過ごしの方、入れ歯が合わなくてどうしても使えない方、他の医院で骨の量が足りずインプラントできないと言われた方、歯に関するお悩みやお困りごとがある方。必ずあなたにとって最良の治療法が見つかるはずです。どうぞお気軽にご相談ください!


(なしき歯科医院新聞 2024年5月号より)

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