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残り少なくなった歯を効果的に活用する『マグネット義歯』
「右上の前歯がグラグラして抜けそうです」と、60代後半女性のTさんが来院されました。上に残っている歯は6本で、そのうちの1本がグラグラと大きく動く状態でした(動揺と言います)。レントゲンを撮って詳しく診ますと、根のまわりにあるはずの、歯を支える骨が全くなく、辛うじて歯ぐきで歯をぶら下げているような状態でした。こうなってしまうと、残念ながら抜歯せざるをえません。
グラグラの歯に食べ物があたると痛いとのことでしたので、その日に抜歯させていただき、今後の治療法について説明をしました。
歯がないところや、歯を抜いたところを補う治療には、大きく分けて「入れ歯治療」かチタン製の人工歯根を埋め込む「インプラント治療」の2つの方法があります。また、入れ歯にも2つの方法があり、残っている歯にバネをかける「部分入れ歯」と、残っている歯を有効活用する「マグネット義歯」があります。
Tさんは、上顎に残っている歯が5本で、どの歯(歯ぐき)も少し弱った状態でした。もし部分入れ歯にした場合、バネをかける歯への負担が大きく、その歯も早いうちに抜歯になってしまう可能性がありました。その点マグネット義歯は、磁石でくっつく、とても安定の良い入れ歯です。残っている歯を横に揺さぶる力が少ないため、歯を長持ちさせることもできます。(通常の総入れ歯ではできない、上顎の口蓋の部分をくりぬいた、馬蹄形の入れ歯にすることができます。)
Tさんは、マグネット義歯を選択されました。治療後、「口蓋の部分がないので、口の中が広く感じられます。また、入れ歯が全く動かないので、硬いものもおいしく食べられて幸せです。」と、とても喜んでくださいました。
「歯が良くなることで患者さんがお口に自信をもって下さり、もっと健康で、もっと楽しく積極的に人生を送れるお手伝いをすること」が私の使命です。あなたにとって最良の治療法がきっと見つかります。
歯を失って困っている方、残っている歯が少なくなってきている方、入れ歯がどうしても使うことができず、歯がないまま放置している方、入れ歯が良く噛めず我慢して使っている方、お困りごとがあればお気軽にご相談ください!
(なしき歯科医院新聞 2024年2月号より)